京大医学部合格体験記その7(生物の勉強法) 生物(センター97/100)
生物は高3の春から始めました。僕は『セミナー生物』『センター試験 生物Iの点数が面白いほどとれる本』の2冊で基礎を固めたあと、『センター生物の過去問』『マーク式総合問題集生物Ⅰ(河合塾シリーズ)』を使って実戦力を付けました。センター生物は知識問題と考察問題と常識問題の3種類に分けられます。その中で最も点数が取りにくいのは意外にも知識問題であり、センター生物で最も重要なのも知識なのです。
知識問題で得点するためには、(医学部にとって)無意味な情報をたくさん覚えなければなりません。例えば、赤血球と葉緑体とミトコンドリアの大きさの順番や、長日植物と短日植物の分類など、論理的に覚えることができないものが多いのです。しかし、点をとるためには覚えなければなりません。自分でゴロ合わせを作りつつ反復練習しましょう。
考察問題は苦手だという人と、得意だという人に分かれます。考察問題(遺伝を除く)を解く鍵は2つ。知識と消去法です。
前者について、いくら「考察」問題といっても、前提となる知識がなければ正答にたどりつけません。例を出してみます。
『葯内における減数分裂においても、胚珠内における減数分裂においても、第1分裂と第2分裂の間には十分な間期がある(2010年本試験)』という選択肢がありました。葯、減数分裂、胚珠、第1分裂、間期という語を知らないとこの問題は解けません。
後者について、選択肢には明らかにグラフや表と矛盾しているものがあります。まずそれらを消しましょう。次に、数学でいう「対偶」の知識を用いると、選択肢の中には「結局同じことを言っているもの」があることに気がつきます。もし、「5つの選択肢から正しいものを1つ選べ」という問題において、「結局同じことを言っているもの」が2つあれば、それらは必ず間違いの選択肢です。あとは選択肢を1つずつグラフなり表なりと照らし合わせていけばいいのです。初めから、「この実験の意義は何か」等を考えると時間切れになります。センター生物は間違い探しだと思ってください。
遺伝は、覚える内容が少ない代わりに、慣れるまでは何をすればいいのかが全く分からない単元です。逆にいえば、1度理解すれば点取り分野にもなり、満点が狙えます。参考書をただ読んでいるだけでは身に付きません。「セミナー生物」などの問題を何度も解いて慣れることが必要です。
センター生物には常識問題も少なからずあります。
『適刺激とそれによってもたらされる効果器の反応の組み合わせとして誤っているものを1~5から1つ選べ。
1光ー瞳孔反射
2液体中の化学物質ー唾液の分泌
3血中グルコース濃度の変化ーグルカゴンの分泌
4体の回転ー屈筋反射
5外気温の低下ー皮膚血管の収縮(2010年本試験)』という問題があります。グルカゴンが何者か知らなくても、体が回転している時に筋肉が勝手に動くのかどうかを考えれば、答えは4しかありません。