2018年度大阪大学合格体験記

2018年度、大阪大学に見事現役合格した塾生の合格体験記です。

合格体験記

大阪大学 基礎工学部 システム科学 (西京高校)

僕はサッカー部に入っていたので本格的に勉強を始めたのは6月頃からだった。(僕の学校は少しだけ早めに部活動を引退するので本来は秋まで活動するのだが6月までに終わった)部活に入っている人や高2まで勉強をさぼりがちだった人にも高3で頑張れば伸びるということを伝えたいと思う。

学力推移

高1 京大、阪大など常にD判
高2 京大でたまにC、阪大でたまにCたまのたまにB
センター模試は7割後半
高3 夏 京大オープンD 京大実践D
秋 阪大オープンA(冊子掲載!)阪大実践B
冬 センター模試(駿台)12月初め 総合で七割なかった
理科6割 社会4割
直前Kパック(河合)センター1週間前 総合84%
理科9割 社会9割

勉強態度

高1 家庭学習はほぼゼロ、数学のテスト勉強だけは少し頑張った。

高2 夏前に紅萌会に入った。数学と英語の週2の授業で家庭学習はそこで出される宿題のみ。数学は青チャートのエクササイズを最初から一つずつやっていき、そこで出た疑問などを授業で解決していた。英語はリードBの問題集と基本英文700選の訳をやっていた。単語、熟語テストは鬼のように出されたがなんとかこなしていた。テスト前は物理と数学だけは頑張り、定期テストでその二つは高得点をとっていた。

高3 部活が終わるまでは部活中心の生活を送っていた。部活が終わってからすぐにはスタートが切れなかったが徐々に本腰を入れ始めた。各教科の詳しいことは後で書こうと思う。そして僕は秋の文化祭は準備も含めて本気でやった。文化祭、文化祭準備期間は勉強時間が激減したが文化祭が終わってからはまた本気で勉強して良いメリハリがついたと思う。文化祭や体育祭などの学校行事は最高の思い出になったので本気でやって本当に良かったと思う。受験勉強の期間も大事な青春時代ということを忘れずに学校行事は是非積極的に参加して欲しい。僕の周りで京大や阪大に合格している人はみんな行事を本気でやっていた人ばかりなので、メリハリを付ければその期間に勉強時間が少し減っても心配ない。

勉強法

とにかく僕は質問をしまくった。考えてわからないことがあれば友達などに聞いていた。友達に聞くと相手も理解していなくて一緒に考えることによって理解が深まることは頻繁にあった。また、友達に質問されて自分が教えることもあった。友達と教えあうのは理解が深まるのでおすすめだ。
僕は高3の夏頃から家は休憩する場所にしていた。塾の自習室、図書館、カフェなどで夜までやって家に帰ってからは勉強するとしても単語などペンを持たないようにしていた。メリハリが付けられたので僕にとっては良かった。勉強場所は人それぞれ好みがあるので自分に最適な場所を選んで頑張って欲しい。
また、勉強しているとどんどん新しい問題に挑戦したくなるが復習が本当に大事である。実際僕は理科は過去問よりも復習を優先したので過去問は10年分も解いていないと思う。復習法としては最初に解いた時に出来なかった問題に○をつけて(ほとんどの問題に○はつく)、二回目は○のついた問題をやり、別の所に印を付けて三回目、四回目とやっていき出来ないのをなくすという方法でやっていた。(理科のみだが)
最後に、安定する科目を優先的に勉強するということを覚えておいて欲しい。数学や現代文などを安定させるのは限界がある。僕は数学がある程度得点できるようになってきたら理科に勉強時間を注ぎ込んだ。数学で0完だったとしても合格できるほどに理科や英語を安定させることを最優先に勉強すれば安心感を持って試験に挑めるだろう。

教科別の勉強法

数学
高2で塾の授業で1A2Bの青チャートのエクササイズを全部やった。このエクササイズに関しては復習を全くしなかったので今思うともったいない。ただ、様々な解法に触れることが出来たので高2で数学が伸びた一因となったと思う。高2で数学が伸びたもう一つの要因は定期テストのテスト勉強を割と頑張ったことだ。部活をやっていた僕にとっては定期テスト前が唯一時間を取って勉強できるときだったので切り替えて勉強した。テスト勉強は青チャートの例題を一通り解き、間違えた所は何度かやりなおしていた。高2ではほとんど青チャートのみをやっていた。高3になり部活をやめるまでは今までと同じように授業と定期テスト前の勉強を中心にやっていた。部活をやめて1A2Bプラチカと数3オリジナルスタンダードを始めた。印象的にはプラチカは青チャートのエクササイズよりも簡単で、基本的な問題が出来るかどうかの良い確認になったと思う。プラチカが終わると阪大対策をやっていくのだが阪大は数3の割合が大きく数3対策としては引き続きオリジナルスタンダードをやった。また、特に体積が頻出なので「大学への数学1対1対応」の微分積分編の面積、体積の問題の部分のみをやった。特に体積の部分は何度もやり、体積の問題は大体解けるようになった。僕の受験勉強で一番時間を割いたのは間違いなく理科で、数学は夏休み以降勉強時間が激減した(ある程度得点が見込めるようになった)。過去問は11月頃から触れ始めたが週に数問のペースでやっていた。センター試験対策は自分では全くしなかった。実際、模試ではいつも8割五分から9割くらいはかたかったのでいけると思ったが本番は8割くらいしか取れなかったので焦った。もう少し勉強していたとしても恐らく結果は変わらなかっただろうから悔いは全くない。センターが終わって本格的に二次の対策をしようと思ったが数3の解法を忘れていて思い出すのに時間がかかった。(一ヶ月半くらい二次数学に何も触れていなかったので)過去問ノートなどをセンター前の期間でも多少は眺めることを推奨する。体積の解法を思い出し、更に得意にする為に東大の体積の問題を数問といた(塾に置いてある25カ年)。塾の先生に勧められてやったのだが効果はてきめんで、阪大の体積の問題はC問題も含めて全て解けるようになった。体積を極めてから(ちなみに体積は出題されなかった)は過去問を解いていったが、ここでも勉強の中心は理科で数学は隙間時間に解く程度だった。このままでは終わらないと思い何日かは数学を重点的に勉強する日を作った。結果的には過去問は全て終わらず、1周しかできなかった。ただ、ノートに過去問を解き、授業で解いた全ての問題を見直していくという方法は効率が良かったのでなんとか1周でもやっていけたのだと思う。正解した問題でも、もう一度時間をおいて少しでも考えることで定着度が増したのだと思う。

英語

高校3年間の英語の勉強は紅萌会の授業の予習と復習のみで済ました。予習復習のみで受験勉強をこなすことができたのは間違いなく塾長の竹位先生の授業のおかげだ。授業ではまず単語テストがあるのだが、この単語テストのおかげで僕は英単語に関しては何の不安も無くなった。シス単、鉄壁、ユメジュクを何周もした。忙しいときなどは覚えるのが大変で骨の折れる作業だったがコツコツ覚えたおかげで最終的には自信になった。高校二年生でリードBと基本英文700選で文法などの英語の基礎固めをした。僕は入塾するまで英語の文法を重視していなかったが竹位先生から文法の重要性を教わり、頑張って勉強した。後に英文読解、英作をやる時に文法が重要であるということの意味を知り、竹位先生に言われて勉強して本当に良かったと思う。リードBを2周して、基礎が固まって来たら英文解釈をやった。ノートにコピーした英文を貼ってその下に訳を書き、授業で竹位先生にダメな所を逐一言われ、英文の構造や文法事項を説明させられた。英文解釈の授業で初めて英文を文法的にとらえて正確に訳していくことを学び、結果的にこの方法を身につけることが出来たので英文読解で安定して得点を稼ぐことが出来るようになったことが合格につながった。英文解釈が終わったら(英文解釈をやったノートは何度も復習する価値がある)京大や阪大、一橋の入試問題を全訳していくということをやった。予習で下線訳を書いて、授業で口頭で全訳し竹位先生にダメ出しされるというスタイルでやっていた。「ここはどういう構造になっているの?」「このingは何のing?」「主語はどれ?」などと質問をたくさんされ、その質問に答えているうちに自然と英文を正確に訳していく技法が身についていた。秋の模試で読解は合格点を越えていたので、秋から英作に勉強を切り替えた。英作で僕が重宝したのはドラゴンイングリッシュ基本英文100だ。100個の英文を完璧に覚えていたらそこから表現を盗めるだけでなく、英文の作り方がなんとなくわかるようになった。英作は主に阪大の過去問のみをやったが僕は解答を一度も見なかった。というのも英作は文法ミスを防ぐ為に簡易な表現で書く事が望まれるが、模範解答は複雑な英文になっているからだ。授業では竹位先生が添削して下さるので意訳しすぎていたら注意され、文法的なミスももちろん注意されたので、意訳し過ぎずに文法ミスも少ない英文を書くことが出来るようになったと思う。

物理

使った参考書類はエッセンスと名問の森。とにかく名問の森をやりこむという勉強スタイルで、前述した通り復習をしまくった。物理はしっかりと本質をつかんで量をこなせばとても安定する科目だ。参考書を読んで本質をつかんだり、一問に時間をかけて本質をつかんだりするよりは、とりあえずわからなければ答えを見て何度も何度も反復していくうちにやっと本質をつかむことが出来たと思う。名問の森は生徒が本質をつかむことができるように作られているので何度も復習する価値のある本だ。エッセンスをやってから何か問題集を挟んで名問をやるよりはエッセンスからいきなり名問を解き始める方が良いと思う。というのも受験勉強というのは想像以上に時間がかかり、出来ることは本当に限られているので様々なレベルの問題集をやるよりは名問のみを極める方が格段に理解が深まるからだ。
もう一つ物理に関してエッセンスの重要性を説明したい。秋頃〜センター1ヶ月前僕は二次試験物理はある程度できるようになっていたがセンター物理がいつまでたっても7割程しかとれなかった。基本知識や理解が抜けていると思いエッセンスを全部やり直すことにした。全ての問題、例題をとにかく解いていった。解いていくうちにエッセンスレベルでも解けない問題が意外に多く、また理解していなかったポイントなどを全て洗い直すことが出来た。エッセンスを全て解き終えて間違った所の復習をし終えたら見違えるようにセンター物理で高得点をとれるようになった。また、センター対策で始めた勉強だったが二次の物理を解くにあたっても非常に役立つ教材だと後で気づいた。基本部分を理解するようになったので誘導に乗ることが出来るようになり、誘導の最初の方でつまらないミスをして大幅な減点をされることもなくなった。物理の受験勉強はまずエッセンスを完璧にすることから初めて欲しい。

化学

化学は僕が一番苦手な科目で最後まで苦戦した。物理の方が勉強していて楽しく阪大の理論化学分野で難問が多いこともあり、物理の勉強量と化学の勉強量を比べたら明らかに前者の方が多かった。多少の偏りはあってもある程度はまんべんなく勉強することをお勧めする。二次の勉強に関しては重要問題集と学校で買った駿台の有機化学演習をやり込んだ。阪大の過去問を解くと分かるが有機は得点源となる分野だ。そこで苦手で難問の出やすい理論はある程度捨てる気持ちで試験に挑んだ(重問をやり込んだ上での判断)。有機でほぼ満点を取り、理論でちょこちょこ得点して良くて6割、最低でも半分を取るという予定だった。本番では重曹が分からなかったり、問題文を読み違えたりして悲惨になったので全く偉そうなことは言えない。
センター化学に関しては化学のノートを作ることを勧める。センター過去問や問題集、模試などを解いていて知らない知識があれば逐一ノートにメモしていた。ノートはセンター直前に見直す最高の教材になるだけでなく、ノートに書き込むことで頭に入りやすくなったと思う。重問の無機の問題はなかなか良い問題が多かったと感じたので是非A問題だけでもやってみて欲しい。物理と違ってセンター化学で学んだことで二次にいかせるものはあまり無かった。勉強時間の割に見返りの少ない勉強だったと今は思う。

理科の過去問に関しては時間を二時間半きっちり計ってやることをお勧めする。
二次の理科は時間との戦いであるから慣れていると有利だからだ。

国語

二次に国語が無いので僕はセンター対策のみを行った。現代文に関しては「決めるセンター現文」という参考書を読み、過去問を解いたら十分だと思う。センター現文は安定しづらい科目だがこの本には安定しづらい中でも安定して、なんとなくではなく根拠を持って解答を選ぶ方法が載っていて、目から鱗の情報もあった。古典に関しては問題集などは何もやらずに過去問では平均6割も無い程しか取れていなかったので、危機感を感じ竹位先生に英語の授業を二回分古典に代えてもらった。この二回で自分の中で少しだけ読み方のコツをつかみ本番では古典で9割を取ることが出来た。コツをつかめた要因の一つは古典単語だけはそれなりに覚えていた事だと思うので、早め早めに単語を覚え始めて欲しい。

社会(倫理政経)

倫理に関しては勉強法を少し間違えたと思う。本番は83点だったが、僕は倫理の教科書の目次の人物を全員覚えていた。努力の割に高得点がとれなかった。社会の勉強を本格的に始めたのは1ヶ月前で時間的にはそこまで重労働ではなかったが、ベストセレクションという問題集をやり込み倫理に関しては思想についてノートにまとめたりした。とにかく知らない人が出て来たら覚えていた。そのため知らない思想や人物はほぼ無くなったが、広く浅くといった感じであった。本番ではみんなが知っている人や思想の深い部分を聞かれ、狭く深くといった感じで問われ戸惑った(あくまで僕のイメージ)。ベストセレクションは過去問から抜粋してきた問題集なので、まとまって一年分として過去問を解いたのは前年度の問題のみだった。もう少し過去問について研究したら良かったと思う。もちろん広く深くが一番良いので、優先的に狭く深く勉強してから広げていくという手法をとってみては良いのではないかと思う。(倫理に限った話しではあるが)

阪大基礎工学部はセンター3割、二次7割で二次の比重が京大程ではないが大きい学部だ。だが、受験をしてみてセンターが非常に重要であることに気づく。センターであと10点あれば…などと言っている友達は周りに何人もいたし自分自身8割とれていて本当に良かったと思った。(8割ちょいがボーダー)阪大にせよ京大にせよセンターでいい流れを作り、ビハインド無しで二次に挑むことで合格へと近づくと思う。二次で挽回しよう、というのは危険だ。二次の数学は全く点数が読めない。それなら安定するセンターでアドバンテージを取る方が簡単だ。(僕はジャストボーダーくらいだったのだが)

最後になりましたが紅萌会の講師の皆さん、竹位先生ありがとうございました。竹位先生には受験のことを何から何まで相談させてもらい、進路のことから普段の受験生活のことまで支えてもらいました。その中でも特に英語が得意になったのは完全に竹位先生のおかげです。受験英語が嫌で苦手で入塾した僕が最後に二次試験で得点源として頼ったのは英語でした。英語が得意科目になったのは間違いなく竹位先生の授業のおかげです。なぜなら僕の英語の受験勉強は竹位先生の授業とその予習復習のみだったからです。少ない勉強量で英語を完成させることが出来たおかげでその分の勉強時間を他の教科に当てることが出来ました。
数学を担当して下さったS先生は友達のように質問しやすい先生で、受験生活のことを何でも気軽に相談させてもらいました。数学の授業ではいつも模範解答の解法よりも簡単な方法が無いか考えて下さりました。数学が得意になり、また受験勉強を楽しく出来たのはS先生のおかげです。
本当に有り難うございました。

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